ワインの温度

 ワインを飲むときの温度の目安(セオリーとも言えます)です。白は冷やして、赤は高め。軽いワインは低め、重いワインは高め。若いワインは低め、熟成ワインは高め。これで大体うまくいきます。レストランならソムリエに任せれば良し。でも、低め高めは人によって感覚が違いますし、ワイン通は具体的に18℃やら10℃などと几帳面になりがち。確かにワインの温度は難しいかもしれませんが、何本も(長年?)飲むうちに温度を測らなくても大体わかるようになるものです。
 そのワインに推奨される温度がバックラベルに書かれていることがあります。生産者が最適と思う温度なので参考になります。先日もそう思ってラベルを見たところ、不思議な温度情報を見たのです。南イタリア、プーリアの白ワインで、トレッビアーノ、ガルガーネガ、フィアーノのブレンドで2014年。若くて軽いタイプです。セオリーなら、温度は低めで、10℃位あるいはそれ以下のはず。ところが、そのバックラベル記載の推奨温度は15℃でした。そこで、自分の感覚とは5℃以上差があるので、実際に15℃と8℃の二つの温度で試してみました。15℃のほうは日本酒のような旨味が感じられ、全体的に穏やかな印象。生産者は何かしらのプーリア料理に合わせたい気持ちだったのでしょう。8℃のほうはキリッと締まったシャープな感覚。個人的には8℃のほうがよりフレッシュ感があって好きでした。この話を行きつけピッツエリアのご主人と話したところ、トマトベース(いわゆる赤いピッツア)なら8℃、モッツアレーラチーズベース(いわゆる白いピッツア)なら15℃と同じワインを二種類の温度で用意するのもいいかなと、いうことになりました。
 そこで纏めです。セオリーに捉われず自分自身で温度をあれこれ試して、対象とするワインの好みの温度を探してみましょう。そして、その作業の経験を生かして、こんどは食べ物を変えてみて、それの合う温度にワインを調節してみましょう。こうしてみると、ある一つのワインを必ずや何通りかに楽しめるはずです。ワインで楽しく遊んでみましょう。実はこれ、スタンスは違うものの、ソムリエ諸氏が日常されていることと同じではありますが。
未成年者(20歳未満)の飲酒は法律で禁じられています。