ブドウ品種データベース

いきなりですが化学物質(店主のかつての専門)。ある一つの化学物質は、構造の着目部分、商品名、薬品名、俗称など色々な名称で呼ばれていることがあります(例えばHCHOはホルムアルデヒド、ホルマリン、メタナールなど)。アメリカ化学会の下部組織であるCAS(Chemical Abstracts Service)の化学物質データベース、Registry Fileには一千万を超える化合物のエントリーがあります。このDBでは、各物質に固有の登録番号が振られ、シノニム間の名称関係を瞬時に特定することができます。
さて、ワインのブドウ品種の話です。味が似ているのにまったく違う名前であるとか、同じ名前のブドウからできているのに味が違う、などの経験はありませんか?まあ、イタリアでのビアンコがフランスのブラン程度ならよいのですが、ガイドブックやマニュアルに自分の探したい品種名がカバーされていないことはよくあります。そこで、化学物質データベースのような便利なブドウ品種データベースがあるのでご紹介します。その名は、
           Vitis International Variety Catalogue (VIVC)。
ドイツのブドウ生育機関の監修のDBです。45ヶ国の130機関による約18,000のエントリーです。このデータベースでは、独立する一品種を特定するためにユニークな品種番号(Variety No.)が付与されています。つまり、名称が異なっても同じ品種番号ならば同一ブドウだとわかります。インターネットで誰でも無料でアクセスできます
(http://www.vivc.de)。
ちなみに、イノワイン関連のブドウ品種をこのDBで調べてみると、ピエモンテのFavorita種、リグーリアのPigato種、プロヴァンスのRolleは全てVermentino(No. 12989)と同じ番号で登録されています。つまりこれらは同一品種です。ところがポルトガルのFavorita種の番号は15483。これはイタリアのFavorita(つまりVermentino)とは異なるという結論。
ブドウ品種に関してモヤモヤされているワインラヴァーには、とても価値ある楽しいDBで、秋の夜長を楽しめるアイテムかもしれません。日本ソムリエ協会の呼称資格試験を受ける方々にも役にたつでしょうか。
品種に関する疑問が解決したら、次は「飲み」が待っています。イノワインのご利用、お待ちしております。
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