大切に飲みましょう(ワイン、井上)

新型コロナ(Covid-19)ウイルスは変異しつつ生き延び、気候不順の度合は年々大きくなり、はたまた歴史を逆行するような軍事紛争も起こり、物流は停滞とコスト増。ブドウ栽培者やワイン生産者にコントロールできない重荷の中、それでもワインは作られます。目の前のボトルやグラスにワインがあることのありがたさを再認識させられます。

ワインだけでなく食材も価格高騰の環境下にあっては、消費のモードを見直すことも一つの考えです。これまで、消費美徳の考えから過剰に用意した食べ物やワインの残りを捨てていなかったか?大勢の集まりで食べ過ぎや飲み過ぎをしていなかったか?思い当たることは誰にでもありそうです。

各人の消費量を極端に減らすことなどできませんが、その代わりに例えばワインであれば、目の前の一グラスのワインを今までよりじっくりと味わってみてはどうでしょう。この機に私は意識的にこれを実践していますが、気が付くことがありました。

まず、普段飲み(安くてガブ飲み)のワインに色々な要素を再発見できました。キアンティクラッシコリゼルヴァにはないキアンティDOCGにあるチャーミングな甘さや、ACボルドーにある生き生きとした果実味等々がそれです。また、今まであまり好みで無かったワインに好きな点を見つけました。アブルッツォのトレッビアーノのオレンジワインのスパイシーさがアジの開きに合う等々。

じっくり味わうことで、色々なワインに対する感覚が新たになり且つ広がると思います。大切に消費することはSDGsを叶えることにもなり、翻ってハイクラスやファインワインへの敬意も再認識できると思います。大切に飲みましょうという、販売側の一提案です。

イノワイン 店主 井上
未成年者(20歳未満)の飲酒は法律で禁じられています。