ワインの先生

商売柄、ワインショップやらレストランの若手スタッフから「ワインのこと色々教えてください」と言われることがよくあります。詳細な情報は教本やデータベースを参照すればいいので、私ごときが話すことはありませんが、そんな場面では、

「ワインを教えてくれるのはグラスの中のワイン。どんなワインでも、いつでもあなたの先生ですよ」と大概答えてます。

今は語学力さえあればインターネットでおおよそのことは調べがつくし、日本ソムリエ協会の試験対策の勉強もするし、インポーターやネットショップの皆様配信の情報やら、世の中ワインの情報に溢れています。いつでもワインの情報(本質とはやや違うが)は得られるのです。
私がかつて駆け出しだったころ、師匠(日本ワイン界の重鎮)がワインを2グラスくらい飲ませて、「君がこのワインについて感じること思うことを言ってごらん」とよく聞かれたものです。感想を伝えたところから、あれこれ話が深まっていく。これは貴重な経験でした。いま思えば、師匠は「ワイン自身が発する声をしっかり受け止めることがワインを知っていく大切な要素だ」とおっしゃりたかったんだなと。それ以来、自身のワインに対する感度が上がったような気がしてます。
私ももちろんワインは楽しんで飲んでいますが、ほんの少しの時間(数秒?)だけ全身全霊を傾けてグラスの中のワインに対峙しているようです(自分では気が付かないのですが)。この習慣が抜けてないのは、過去の経験に基づくのかもしれません。
未成年者(20歳未満)の飲酒は法律で禁じられています。